2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『Kの物語』⑧ 『饗宴』―恋(エロース)について―

『プラトンの哲学』藤澤令夫著を導きとして『饗宴』のエロース(恋)そして<美>におけるイデア論を考察していきたい。 藤澤は機が熟して、イデア論は『饗宴』において―それを語るのがエロース(恋)の正道をソクラテスに教えたという想定の巫女ディオティ…

『Kの物語』⑦ 『リュシス』―友愛について―

私は「ソクラテスの徳概念」に近づくために友愛をあつかったプラトンの対話篇『リュシス』l9〜8『饗宴』とアリストテレスの『ニコマコス倫理学』友愛篇と『エウデモス倫理学』フランスの哲学者アンドレ・コント=スポンヴィルの『ささやかながら、徳につい…

Kの物語⑥ 

Kは古典ギリシア語を勉強するようになった。なんでも田中美知太郎先生のようになりたいそうだ。私もそれにつられて古典ギリシア語の勉強をするようになった。Kはイギリスのケンブリッジ大学に留学したいらしくケンブリッジ英検を受けるとか言っていたが、私…

『Kの物語』⑤

私はKのようにファンタジーを書くことができずに悩んでいた。Kは地下室に降りていくことができたが、私はそうすることができずにいた。そのために創作落語を書いてしまおうと思った。エドガー・アラン・ポウの怪談物やシャーロック・ホームズの推理物を下敷…