『手記 自然学を求めて』その8

私は四ツ谷にある上智大学と京都にある同志社大学の神学部を受験することにした。統合失調症でじゅけんすることは無謀ともいえるが、私はなにがなんでもやりたかったのだ。神学部に入ったらカールバルトの『教会教義学』を研究していきたい。筑波大学でスポーツ運動学をやることも視野にいれたが、私の目指すべきものはそこにはないと思い辞めることにした。実際に叔父の正孝先生からも推しはなかった。将来は小説を書きながらインテリジェンスの仕事をやっていきたいと思う。

 黒死館では猛烈な勉強が開始されていた。アリストテレスの『形而上学』を音読し原稿用紙のうらに縦型に筆写し、古典ギリシア語版とつきあわせながら解読していった。聖書の研究は田川建三さんの『書物としての新約聖書』を精読していった。

 受験勉強はその合間におこなっていった。東大鉄壁英単語熟語で徹底的に英単語の暗記をつとめた。世界史の勉強は『詳説世界史』という参考書を音読しながら重要な要点をポイントを絞って学んでいった。国語については神学関係の書籍を音読することによって読解力をつける工夫をしていった。これから猛勉強していかなければならない。