『手記 自然学を求めて』その3

私は英語の勉強のためにボイスレコーダーを使用する。現在はHow To Solve It和訳は『いかにして問題をとくか』をボイスレコーダーに吹き込んで学んでいる。認知症のおばあちゃんに差し入れしたら一週間で読んでしまったので驚きだ。Kさんはギターがすきでいろいろといじっていた。認知症のおばあちゃんにもいろいろと曲を聴かせていた。

 Kさんはファインマンに似ていた。なんでもかんでも自分でやってみないと気が済まない性分でラジオを修理することが得意だった。量子力学素粒子物理学に明るく、MITでもかなり優秀な成績を修めていた。

 私は感情を文章に素直に表現することが苦手だ。大学は中退した。統合失調症にかかってしまったからだ。認知のゆがみと思考の乱れが心理検査で露呈した。小説をブログに書こうとおもったのはつたないことだけど。共感してくれるひとびとがいると信じているからだ。そして理論物理学に関心がある。祖母は昔のことと理論物理学の抽象的な概念を理解することができた。私もまけるものかとファインマン物理学シリーズの量子力学のテキストを原稿用紙の裏に書き写して学んでいる。KさんとはMITに旅行にいくことがあった。Kさんは博士課程をもうすぐ終わるらしくプリンストン研究所にいきたがっていた。

 デイケアにいかなければならないという妙な義務感に私は支配されている。そのために朝、体調が悪くなるめまいに襲われたり、膝に力がはいらない状態になってしまうのだ。身体表現性障害というらしい。身体は正直だ。Twitterでかなり毒をはいている。本当は詩を書きたいのだが、どうやら私には詩を書く才能がないらしい。
眠剤をのんでコーヒーを飲みながら原稿を書いている。馬鹿がやることだ。

 理系の才能がないことは重々承知しているが、できないことに惹かれてしまう性分らしい。おばあちゃんは特別施設老人ホームに入所していることはすでに触れたが、外泊するときは必ずアメリカへ高飛びする。インチキイングリッシュで人脈を構築しているらしく中二病な私にはとうてい理解できない。