『詩 物語を書く』

私は物語を書いている
物語を書いている私は生命の連なりのなかにいる
この物語はいったいだれによまれるのだろうか
時間の流れのなかでいったいだれに読まれるのだろうか
私は一族の物語を書き続けていきたい
ワルツの単調で美しい流れのなかで
ヒントのない人生と同じように物語を書くヒントもない
有機的な時間を言葉によって活かしていく
物語の線は他者の線とつながっていく
私は物語の中にいて物語を紡いでいく
君は予想できるだろうか読者という存在を
自己から他者へと伝わっていく無意識のメタファー
終わりのあり始まりのある工芸品をつくりあげていく