『詩 無意識の鉱脈を求めて』

私は地中奥深く潜っている。外は宇宙空間のようだ。
言葉を探している
深く心に響く言葉を
そういうことは詩人にしかできない
ボブ・ディランを聴きながら
いつ涸れるかわからない無意識の鉱脈を探している
或る人は「神話を読めば詩が書けるさ」と言った
私は書けているのだろうか詩を
だれも教えてくれないオリンポスの涙
サッポ―が私のなかで激しく脈を打っている
酔いどれブコウスキー
宇宙に届くだろうか
私には教えてくれないかもしれない
無意識の鉱脈を
あふれ出てくるのは単なる言葉ばかり
無意識の鉱脈は自ら見つけなくてはならない
死の恐怖から立ち向かうために
見つけ出さなくてはならない
そのために30億光年はなれたとこからやってきたのだ
深夜の書きものはそうなっていく
君にはもう見えているのだろうか
無意識の鉱脈を
私はうつから脱出するために詩を書き続ける
君は、君は何のために詩を書くのだろう
ロック・バンドがちぐはぐなメロディーを奏でている
ギリシアの詩人たちにも聴こえているのだろうか
バンドの音楽はどんどん大きくなっていく
しゃがれた声はいったい誰のもの
探すしかない
無意識の鉱脈を
深くそして深く
わからなかったら、いいさ
いつの機会かわからないけれども

或る日、悪魔との契約でギターの才能をもらったギター弾きがいた
その男はギター弾きに明けくれた。
そして見つけたのだ。無意識の鉱脈を。
どんどんふき出す鉱脈
ゴールドラッシュの始まりだ
祈りのギターが鳴り響いた

私は30億光年の分をそのギター・ミュージックで魂を癒すことができた
男がギターを弾き終わると無意識の鉱脈も止まってしまった。
わからなかったら、いいさ
私は小説を書くことにした『百年の孤独』を