『詩 ワルツ』

バレエのワルツはくるくると回る。
音楽の展開と同じように。
君はどこでその踊りを覚えたのだろうか。
私は闇のなかにいる。
しかし、闇は希望の塊だ。
今日、私は闇の中から這い出ることにした。
希望のなかにいつまでもどっぷりとつかっているわけにはいかないのだ。
進め!芸術の道を。
虚無をつくりあげていくのだ。
現実は厳しい、そのことは自明の理。
虚無の世界がなくては現実は生きられない。
踊り子たちは音楽がなければ、踊ることができない。

『詩 詩人の役割』

詩人の役割は読者に日常から離れた世界へと、いざなうことだ。
君とぼくとの間柄のなかで。
詩人は散歩する。
夢想して絵を創りだすためだ。
耳になじむ言葉を撰んで、
ぼくの世界が君の世界とつながっていくことを、
証明するために詩があってもよい。
あふれる言葉のなかで。
あふれる絵のなかで。
まるでバレエを踊るように、
ぼくは君のために詩を書いていく。
秋はどんどん濃くなっていく。
濃くなる詩心は転回していく。
いつまでも、いつまでも。